15歳のデカちん製造機
中学三年の頃、とにかくデカいイチモツに憧れていた。
原因はエロ漫画の読み過ぎだ。
性についての知識は ほぼ全て、エロ漫画に教わったと言っても過言ではない。
そのせいで、当時の俺は、
『モテる男 = おティンティンがデカい』と完全に信じ込んでいたのだ。
勃起した友達のブツを見る機会など当然あるはずもなく、皆がどの程度のサイズなのか、俺にはまったく見当もつかないでいた。
まだネットが普及していない時代。
俺の情報源は全てエロ漫画からだった。
エロ漫画に出てくる男のキャラクターのアレは例外なく全てデカい。
俺は、エロ漫画のサイズが標準的なサイズなんだとけっこう本気で信じていた。
それに比べて俺のはなんだ。
こんなサイズでモテるわけがない。
俺がモテないのはコイツが小さいからだ。
中学生の俺は悩んだ。
なにかデカくする方法はないものかと。
噂で聞いた熱湯と冷水を交互にかけるというヤツもやった。(後に、それはデカくする鍛錬じゃなくて硬くする鍛錬だと知ることになる。)
女性のオッパイは揉むとデカくなると聞いて、その理論が男のアレにも適用できるんじゃないかと、揉みしだいた時期もある。
それなのに、一向にデカくならない。
そんな思春期の悩める少年に、成す術はもうなに一つとして残されていなかったのだった。
そんな絶望のふちに立たされていた時、いつも遊んでいた親友に、笑いながら冗談ぽく相談してみたことがある。
真剣に相談したら小さいのがバレると思ったので、あくまで冗談として。
「アレをデカくする方法なんかない?」
親友は、いつものバカ話だと思い、
「そんなもん掃除機で吸ってやれよ。ハハハ!」
と、笑いながらツッコミを入れてくれた。
「掃除機て!ハハハ!」
俺達は本当に仲が良い。
家に帰るやいなや、すぐさま俺は準備に取りかかった。
天才かと思った。
俺の親友は天才かと。
ラッキーなことに、当時の俺の部屋には俺の部屋専用に小さめの掃除機が置いてあったので、わざわざリビングとかで使うデカイやつを持ってくる必要はなかった。
そんな物を持ち出したら、確実に親に怪しまれてしまう。
怪しまれるのはマズい。
『家族に見つからない事』
それがこのミッションを遂行する上で重要なファクター。
万が一にも見つかってしまったら、もうこの家では暮らせなくなってしまう。
ティムポを掃除機で吸ってる姿を晒して、その後どんな顔をしてこの家族と暮らしていけばいいのだろうか。
とてつもなく変な顔をして暮らしていかなければならないはずだ。
見つかることは絶対に避けなければならないのだ。
まずは音だ。
そもそも俺が掃除をすること自体が不自然なのである。
それを、学校から帰ってきた出来損ないの息子が一目散に掃除機を部屋にかけ出したら、それこそ絶対に変だと思われる。
音でバレるわけにはいかない。
そこで俺は考えた。
布団を巻こう。
音を消すために俺は掃除機を布団で巻いた。
そして、恐る恐る電源を入れてみる。
「スィーーーーん」
よし。
完全に消すことは出来なかったが、まあ合格ラインは超えただろうと判断した。
そして、更に防音効果を上げるために、布団で巻いた掃除機をコタツの中に入れた。
そしてズボンとパンツを脱ぎ、俺もコタツに入る。
もし今、突然家族の誰かが部屋に入ってきたとしても、俺はただコタツに入っているだけに見えるという、計算されつくされたカモフラージュでもあるのだ。
防音 + カモフラージュ。
完璧だ。
それでは開始する。
掃除機にティムポを突っ込むという非日常的な感覚に妙な興奮を覚え、すでに臨戦態勢バッチリのおティムポ厶。
早くも完全体となってしまったムスコを、ヘッドを外した掃除機のホースに近づける。
ゴクリ…。
よっしゃ!
「こつっ」
…あれ??
…なんてこった。
入らねぇ~や。
なんとホースが細すぎてムスコが入らないのである!
先っぽがつっかえて入らない!
ここで、誤解がないように言っておくが、決して俺のムスコが大きいと自慢してるわけではない。
大きけりゃ、そもそもこんなことはしていないのだ。
ようは掃除機が小さかったのだ。
階段とかの、ちょっとした掃除をする用にコンパクトに設計された掃除機。
ホースも普通のより一回り細い。
誤算だった。
MTだ。(まさかの展開)
だがしかし、
このままじゃ、このままじゃ終われねぇ!
俺は往生際が悪いんだ。
そして考えた。
リビングの掃除機を持ち出すのはリスクがでかすぎる。
この掃除機で吸う方法は何かないのか…。
はっ!
ペットボトル!
部屋の片隅に転がっている空のペットボトルが、俺の方を見てニヤリと笑った気がした。
「俺を使いな。」
確かにそう聞こえたんだ。
そしてペットボトルを掴み取る俺。
いける!これならいける!
確信にも似た自信が、萎みかけた俺の心とティムポを奮い立たせた。
ペットボトルの底をカッターでくり抜き、
そして飲み口を掃除機のホースに突っ込んだ。
ホースに突っ込んだ飲み口をガムテープでぐるぐる巻にして止めた。
…でけた。
…一瞬にしてでけた。
掃除機のホースの先端に、底をくり抜いたペットボトルを取り付けることで、
細かったホースの径を、ペットボトルの大きさにまで拡大することに成功した。
我は天才か。
人類は、道具を使うことで進化してきた。
今まさに、人類を代表し俺が、新たな、そして大きな一歩を踏み出そうとしているのだ。
底をくり抜いたペットボトルに、興奮気味なムスコを装填した。
いよいよだ。
ついに、この時がきたのだ。
運命の瞬間。
自分だけの力で「憧れ」を手にする瞬間。
いざ!参らん!
カチッ
電源スイッチを押したその瞬間、
「ベコベコベコベコベコッ!」
痛ててててててててっ!!!!!!
痛てててててててててっ!!!!!!
ヤバいヤバいヤバいヤバい!!!!!
痛てててててててててっ!!!!!!
カチッ!!
慌てて掃除機の電源を切った。
あ、あぶねえ!
危うくティムポを失うところだった。
失敗だ。
掃除機のスイッチを入れた直後、ペットボトルはベコベコと音を立てて凹み、そして雑に切ったペットボトルの底の部分が、私自身の根本に食い込んできたのだ。
あと一歩、電源を切るのが遅かったら
間違いなくペットボトルにイチモツを食いちぎられていた。
命より大切な、そして自分にとっては生きる希望とも言えるコイツを失ってしまったら、俺は間違いなく死んでしまう。
何を隠そう、俺はエロスのためだけに生きているのである。
それ以外の出来事など単なる人生のおまけに過ぎない。
エロスがメインなのだ。
だから俺は決してティムポを失うわけにはいかないのだ。
そういった意味では、俺は九死に一生を得たとも言えよう。
ただ、ここで諦めないのが俺の良いところ。
男が一度やると決めたら、出来るまでは決して諦めない。
まっすぐ自分の言葉は曲げねぇ!
しかし!
アレは少し左に曲がっている!
何か、このペットボトルの底の強度を上げるものはないのか、
補強できるものはないのかと血眼になって部屋を探した。
キラッ。
えっ!?
確かに今、何かが光った!!
バイオハザードのアイテムが如く。
光の方を見てみると、
そこには綿棒のケースが。
…綿棒のケースか。
おもむろに俺は、それを手にとった。
コツッ、コツッ。
指先で叩き、硬さを確認する。
コイツは…
待てよ…
いける、いけるぞ!!
ガシャガシャガシャガシャ!
ガチャガチャガチャガチャ!
ビャービャービャービャー!
…でけた。
…一瞬にしてでけた。
ペットボトルの底に 強度のある綿棒のケースを取り付け、ケースの底をていねいにくり抜いた。
(思いのほか このケースが硬く、くり抜くのに30分くらいかかった。)
遂に完成したのだ。
俺専用のデカちん製造機が。
失敗を乗り越え完成させたこのマシーンが、なんだか神々しくさせ思える。
そして、
俺は、マシーンの穴にゆっくりとティムスコを装填した。
待たせすぎたせいで、すっかり縮んでしまったがもう大丈夫。安心しな。
今、吸ってやるからな。
はぁ、はぁ、はぁ…。
よ、よし吸うぞ…。
カチッ。
「ブゥオオオオオー!!」
物凄い吸引力が俺のムスコを吸い上げた!
ムクムクムクムク!!
ガチーーーン!!
おお!!おおおおおおお!!!
で、でかくなった!!
せ、成功だぁー!!!
俺は感動した。
嬉しかった。
試行錯誤の末、思い描いた未来を現実のものとし、とてつもない満足感を得ていた。
スイッチを入れれば自分の意志とは関係なく勃起状態になる。
スイッチを切れば、たちまち萎むのだが。
ならば、自分の意志で勃起させ、さらにマシーンで吸引すれば、いつも以上の勃起状態になるはず。
意志 + 吸引。
これぞH・B・S!
(ハイブリッド勃起システム! )
超えてやるぞ。
勃起を超えた勃起を、今見せてやる!
はあぁーーーーっ!!!!
「ブオオオオオオオオオ!!!!」
俺は、吸った。
無我夢中で吸った。
吸って吸って吸いまくった。
これで俺はモテる男になれる。
憧れのデカちん野郎に変身できる。
もう何も怖いものなんてなくなる。
夢を叶えるため、少年の必死の吸引は続いた。
そして、これでもかと言うほど吸い、
吸引で勃起させたアレで
勃起ついでに、そのまま一発シコって眠りにつくのだった。
次の日の朝、
目を覚ましワクワクしながらアレを確認する。
いったいどれほどの効果があったのだろうか。
どれだけ大きくなっているのだろうかと。
あんなにも入念に吸いまくったんだ、これはとてつもない効果が期待できるぞ!
そしてパンツの中を確認する。
…
…
…え、
…嘘でしょ?
…何これ。
…なんなのこれ。
そこには紫色のポークビッツが。
なるほど。
なるほど、なるほど。
吸いすぎた。
吸いすぎたのだ。
内出血している。
アレ全体が内出血している。
…
どうやら人間は、
焦って焦って焦りまくり、焦りすぎると冷静になるようだ。
いや、違うな。
冷静になったんじゃなくて、ただ頭が真っ白になっただけだ。
上は真っ白、下は真紫ってな~んだ??
俺だ。
ふと、
ある疑念が俺の頭をよぎった。
腐ってしまったのではなかろうか…。
その瞬間、
全身から血の気が引いた。
もし、
コイツが本当に腐ってしまっているとしたら、
もう二度と勃起できないんじゃないのか!?
そ、そそそそそそ、それだけは勘弁して神様!!!!
それだけは!!!!
慌てて俺はティムちゃんをシゴいた。
頼むぅ!!立ってくれ!!
立つんだ!!頑張れ!!
ダウンした選手を必死で応援するボクシングのセコンドみたいに祈る。
ピクッ。
あっ!
シコシコシコシコ!!
ムクムクッ。
ガチーン!
た、立った!
立ったぞ!!よっしゃーーー!!
よかったー。
セーフ!セーフだ!
セーフ… え…
何この毒キノコ。
内出血で出来た小さなアザが、モノ全体に散りばめられ、それはまるで毒キノコ。
…やめときゃよかった。
掃除機で吸うなんて、どうかしてるよ。
見てみろよ、この有り様。
笑っちゃうだろ。
バカげてるよなぁ。ハハハ…。
虚しさに包まれた。
目にうつる全てのものからメッセージが聞こえる。
バカじゃないの?と。
あれから15年。
俺は30歳になった。
わずかながら人生経験も増え、色々わかったこともある。
ちょっぴり大人になった俺から、当時の俺に伝えたい。
「よっ、俺。 元気でやってるか?
お前今、自分のティンコの大きさで悩んでんだろ?俺は知ってるぞ、お前は俺だからな。
でもな、
大きさなんて気にするな。
お前のはデカくはないかもしれんが
別に小さいってこともない。
普通だ、普通。
これからお前は何人かの女性を抱くことになる。
そうなった時、お前はデカさなんてどうでもよかったことに気づくはずだ。
立ちさえすればいい。
イケさえすればいいと。
お前は将来、勃起不全気味になり、
なんとか立ったとしても重度の遅漏によりなかなかイケないというヘビー級の悩みに悩まされるのだ。
だからあんまり強く握ってオナニーするなよ!
イクとき足をピンとさせるのもよくないぞ!
あと、床オナは今すぐやめなさい!」
完
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